戯曲「或る秋の紫式部」一部脚色しています 岡本かの子 47歳初出作品 1936年(昭和11)雑誌「むらさき」11月号に発表
朗読時間:16:57分 読み手:MM NT ND YH
式部「ありゃ、なんでもないんだよ。恋をするにも真正面に相手にぶつ
かって真心を打ち付ける気魄も無くなり、ただふわふわ恋の香りだけ
に慕い寄る蝶々のような当世男の一人さ」
式部「今の世の中の人はみんな蝶々、さっきの妙な男も、お隣の聖も、
未亡人のわたしも誰でも色香にひかれる気持ちは一つなのだよ」
式部「ありゃ、なんでもないんだよ。恋をするにも真正面に相手にぶつ
かって真心を打ち付ける気魄も無くなり、ただふわふわ恋の香りだけ
に慕い寄る蝶々のような当世男の一人さ」
式部「今の世の中の人はみんな蝶々、さっきの妙な男も、お隣の聖も、
未亡人のわたしも誰でも色香にひかれる気持ちは一つなのだよ」