童話「ひばりの子」岡本かの子 31歳の作品 1920年(大正9)雑誌「良友」4月号初出
朗読時間:6.30分 読み手:MM NT YH
八つの一郎さんと六つのたえ子さん兄妹に婆やがひばりの子を拾ってきました。一郎さんは「僕それをね、あの籠へいれて育てようや」と言い、たえこさんも「あたしも、あの袋を持って来るわ」と言い、取り合いになります。でも「これはまだ親のひばりのお乳をほしがっている赤ちゃんですよ。誰のお手々でも育ちはしないのですよ」とお母様にさとされ元の処に返すことになりました。
お日様の光がのどかに照りわたった西田甫の畔道に、子ひばりを抱いた婆やのあとから、睦ましく声をそろえて唱歌をうたいながらいく一郎さんとたえ子さんの姿が見えました。