「愚人とその妻」岡本かの子 44歳の作品           1933年(昭和8)雑誌「現代仏教」1月号初出

朗読時間 13.46分  読み手:MM, ND, YH

仏典「百喩経」に題材を取ったもの。               常眠驢の妻の紅雀は夫をとうとう思い切った。…この愚人は嘗てふだんは自分を何とも思って居なかった。自分が死んだという強い衝動に心を揺り動かされ始めて自分の存在に気がついた。…紅雀は男の心に自分を植え付け得なかった。他の女によって心に植えつけた。